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「生きる」ことを
考える
作庭者:加藤彌壽雄
植彌・加藤造園(株)
居心地のいい
屋外空間
作庭者:宇野 治
(株)茨木春草園
木は山に
花は野にあるように
作庭者:長谷川克巳
(株)高石造園土木
流れと
つくばいのある庭
作庭者:倉田和一
倉田造園
  「二河白道」(にせんはくどう)という喩え話があります。後方に獣、前方に火と水の二本の河があり、道は河にかかる四寸五分の細い白い橋しかない。
旅人は、西の方角から聞こえる尊い声に励まされながら橋を渡り、彼岸に至るという内容です。
泥水の池の上に橋を架け、先には阿弥陀仏のための台座と礎石を配置。彼岸で手招きをする阿弥陀仏のもとにたどり着けば、そこには安心して暮らせる家庭がある・・・・・という趣向
 本阿弥光悦(1558〜1637)が創作を楽しんだ光悦村の自由な気風と、古代の竪穴式住居をヒントに作庭。
 竹で編んだ洋風四阿は、光悦寺の光悦垣がモチーフ。網目から光が降り注ぎます。四方を花に囲まれた*沈床庭園*の中で、陶器の椅子に腰を下ろし、少しだけ現実を忘れてくつろいで下さい。
 野山で、自然の美しさに心を打たれるときがあります。その感動を暮らしに取り込もうと作庭しました。品種改良された花を原生種が生えているのに近い環境に配し、自然の風景に近づけました。約40種類の植物を使っています。
 これからの庭は、将来の「眺める庭」から「育てる庭」に変わってゆくでしょう。花木は、そのためにも重要な要素だと思っています。
 白川の小川とつくばいで、水の流れを表現しました。マキやケヤキなど大樹を使うため、庭に「動き」のある部分がほしかったからです。
 幹の太いケヤキは、手前に灯籠やヒラドツツジを配してバランスをとっています。石組みは、天然石がそれぞれ表情豊かに見えるように配置。施工には、見習い1年から5年目の若い力と感性を取り入れました。
馴染み深い
心やすらぐ空間を
作庭者:長岡 昭
長岡造園
「庭園と花」をテーマに、庭の色を考え直す・・・・
そんな課題に挑戦した作庭家たちによる10の創作空間を
梅小路公園で1998年2月まで展示しています。
蓄積された技術と豊かな感性に支えられた京都の
庭園文化に新しい可能性を提案する小庭園です。
あなたの目で見て、足で歩いて、庭の魅力を感じてください
'98年度作品 '99年度作品 '00年度作品 '01年度作品
'02年度作品 '03年度作品 '04年度作品

 梅小路公園にて開催されました「グリーンフェアー」
(緑の週間・イベント)の事業として京都府造園協同組合・京都市造園建設業協会・京都市花き振興協会の協力により、日本庭園のすばらしさをより多くの人々に再認識していただくとともに、京都が誇る造園技術の継承とさらなる向上をめざして、自由な発想の場としての庭園作品展が毎年開催されております。
ボケの花を
イメージした門
作庭者:猪鼻昌司
いのはな夢創園
 座敷から見たかたちの、昔ながらの日本庭園を展開。二本の止石が縁側の位置にあたります。
 沓脱石に降りて飛石を渡ると、正面に大徳寺の高桐院を模した六角灯籠が据わります。右手のつくばいには、キリシマツツジで彩りを。樹木は樹景のやわらかいアカマツや枝振りの優雅な北山杉などを選び、観る人の心が落ち着く庭にしました。
花も夢も、生まれては消えてゆきます。その繰り返しを、庭で表現しようと試みました。
 
弧を描いて白砂のなかに消える瓦の通路が、不思議な空間を演出。花の門をくぐると不老長寿が得られるという故事にちなみ、*木瓜垣(もっこうがき)*を創作しました。カンゾウやサルスベリ、ザクロ、アジサイ、キキョウ、ハギなどが季節ごとに花を開きます。
**木瓜垣** 木瓜(ボケ)でつくった垣根のこと
桃山文化の
進取気鋭の精神に学ぶ
作庭者:山田拓宏
花豊造園(株)
石組みで
天・地・人を表現
作庭者:樋口隆三
樋口造園(株)
波・・・想像力を
喚起させる庭
作庭者:平岡嗣雄
京都庭常
リズミカルに
華やかに
作庭者:北澤佳明
北澤造園
 華麗な文化が「花」開いた桃山時代の大胆な枯山水様式を参考に作庭。
 
基本構成である枯滝石組と大空に伸びやかに葉を広げるソテツに、花を添えることでシンプルさを強調。限定した素材を最大限に活かして空間を大きく見せる、迫力と存在感のある作品を目指しました。心に潤いを与えてくれる「花」を、日常生活のさまざまな場面に添えることで、自然と人間社会とが調和してゆけばと願っています。
 
京風の庭の石組みの妙を見て下さい。山石を主に使用し、心の高い石は天を、平らな石は地を、点在する石は人を表します。*根締*はシロスギ、モミジ、ヤマブキ、サツキ、イチハツなど。
 庭の中を通り抜けながら、石組みを四方から見たり、季節の植物に親しんで下さい。シンプル・イズ・ザ・ベストを心がけました。   *根締***木や石の根元に植える植物
庭の説明は、観賞のためのただのヒント。「こう観なければいけない」と、決めつけるものではありません。観る人が庭を奥深くまでのぞき込み、作庭意図を自分で探って、作庭者との対話を楽しんでいただければと願います。
 
全体を海原とそこに浮かぶ岩群れに見立てた立体的な庭です。白や青紫の波の花はパンジー。囲いにとらわれず無限の拡がりを感じるよう、起点も終点もない庭になっています。
 
 日本人の生活様式や建築様式の変化に伴い、庭に対する人々の要求も多様かしています。そんななかで、京都の造園材料や伝統技術を現代風に活かした庭を提案。
高さの違う石で庭にリズム感をだし、リンドウの紫やサンビダリアの黄・ピンクと白川砂の白とでコントラストをつけました。カリンの木が、庭に奥行きと落ち着きをもたらします。気分が明るくなる庭です