基礎がなく竿を地中に埋め込んで据えるもので円形・四角形が多いのですが、基本型六角型・八角型を小型にしその基礎がないような形のものもかなりあります。 活込式の燈籠は、露地の燈籠として創案され露地での明かりは、照明の範囲が限定される。腰掛待合の足元・中門の役石辺り、蹲踞の鉢明かりなどである。露地の燈籠は手元、足元に対する明かりで極めて現実的な明かりであり、その丁度よい位置と高さを調整するのに便利な活込式の方法が用いられたと思われる。基礎部をはずした活込式の風情は、侘びの世界に一致するものが好まれた。従って、この種の燈籠は、造形的に優れたものは少なく、むしろ洒落味のある風情の面白さに、その趣旨がある。 |
名のある活込燈籠
織部燈籠 切支丹燈籠 |
桃山時代、茶の湯の興隆により、新しく露地が生まれ、夜の茶会の為に露地の明かりとして、古社寺の石燈籠が利用されるようになり、さらには、茶人の好みのものが新しく創作された。その代表的なものが織部形石燈籠であり、竿の円部に、アルファベットを組み合わせた記号を陰刻し、その下部に立像を浮彫にしている。これを地蔵信仰に似せた隠切支丹の尊像と見て、マリア燈籠とか切支丹燈籠と言われた。実際に、十字架的な要素を強調し、竿に十文字に閂を入れたものもある。一般的には、桃山時代の茶人、古田織部が創案したものとして、織部燈籠と呼ばれている。 |
蛍燈籠 | (京都・桂離宮):竿は円柱、中台・火袋は四角形、笠も四角形ですが自然に近い姿をし、宝珠がないのが特徴です。 |
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