露結形手水鉢・参考写真

孤篷庵露結形(京都市)

「露結形」は遠州好みの書院式茶席「忘筌」のまえに据えられている。これには遠州の深い意図があり、「荘子」の「得魚而忘筌、得兎而忘蹄」の一句を生かしてある。「
忘筌」の魚の対句になっている、兎を手水鉢の銘にしたものであって、「露結」とは兎を意味する「露結耳」からとっている。兎は体に汗腺がなく、大きな耳で汗を発散させるので、「露結耳」が異名となったのであろう。文字も遠州の直筆である。

資料引用 : 「写真並びに解説: (株)グラフィック社 発行 吉河 功著  手水鉢 庭園美の造形より」