四方仏形手水鉢・参考写真

尾山神社四方仏形(金沢市)

四方物手水鉢の中でも名品で、かつて千利休が京都不審庵の手水鉢として愛好していたもので、当社の中庭にある。この手水鉢の特色は、その四隅に彫られている鳥形で、これは梟であると考えられている。鎌倉時代の一時期だけに作られた、梟の塔身を持つ宝篋印塔の塔身を用いた四方仏で、「梟の手水鉢」の別名がある。
東京国立博物館露地四方仏(東京都)

茶席「六窓案」の露地にある蹲踞の四方仏。古い時代の見立物手水鉢は、圧倒的に関西方面の石造物を用いた物が多いが、これは関東で作られた鎌倉時代の層塔塔身を用いたもの。

資料引用 : 「写真並びに解説: (株)グラフィック社 発行 吉河 功著  手水鉢 庭園美の造形より」